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[コメント] ラスト・シューティスト(1976/米)

西部劇における記念“碑”的作品。
甘崎庵

 実質的に本作が遺作となったジョン=ウェイン

 のっけから主演映画の名場面。若き日のウェインの華々しさを見せた後、老境に至った彼を見せたのは演出上の妙。古き良き西部時代も終わろうとしている事が擦り込まれてしまう。

 ウェインは当時実際に病に冒されていたそうで、アクションは控えめで、しかも本当に苦しそうに演技している。それが痛々しいながら、悲壮な決意が見えて、彼がこの作品に自分の全てを賭けている事が見て取れる。脇を固める配役も見事に西部劇の常連と言うのが嬉しい。

 西部劇もこの時代には既に過去になっており、これから作られる西部劇は新しい切り口が求められるようになった。過去と決別するためにも、そしてジョン=ウェインの最後の輝きをフィルムに焼き付けるため、この時代に作られる必要のあった作品なのだろう。

(評価:★3)

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