[コメント] いつかギラギラする日(1992/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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1980年代は私が映画のおもしろさを知った年代だったが、この年代の邦画にはかなり幻滅していた。はっきり言って邦画は観るべきもんじゃない。どうせアイドルが下手くそな演技をする作品か、あるいは御大の自己満足の作品しかないと思いこんでいた。観るべき作品があったとしても、徹底した低予算映画しかないし、正直全部あきらめてしまった方が良いと思いこんでいた。
しかし、その考えが変わってきたのが、この作品を観てからだった。確かにハリウッド作品と較べたら、規模はさほどでないのは確かだが、それを上回るパワーをここから感じ取った。低予算だからこそ、キャラクタで見せてやる!と言う意志力がビンビンに伝わってきたし、何より、深作欣治という監督の名前が見事に印象づけられた作品となった(言っちゃなんだが、『里見八犬伝』(1983)を劇場で観て、「こいつはもうダメだ」と思いこんでいたんだが…)。
派手さは抑えめにしなければならなかったが、和製フィルムノワールとして考えるなら、設定も結構しっかりしていたし(ちゃんとファムファタール的な女性も出てくる)、テンポが良い。何より監督の「俺はこれが撮りたいんだ!」と言う意志力が伝わってくるような気分にさせてくれた。
停滞していた邦画界が、こんなパワフルな作品作れたと言うことが先ずは嬉しい作品だった。
まあ、ストーリーはちょっと陳腐って気もするが、70年代の邦画のパワーというものを90年代に復活させてくれたことを先ずは喜びたい。実際、この系統がやがて邦画の復活へとつながっていくんだし。
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