[コメント] ブラック・ウィドウ(2020/米)
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これまでのシリーズ作品でブラック・ウィドウで分かっていたことは、かつて共産圏のスパイとして育てられ、それを引き継ぐ組織のスパイ兼暗殺者だったこと、自分の意思でS.H.I.E.L.D.に入っていたことくらい。あとは超人的な能力を持たないためにホークアイとコンビを組むことが多かったことくらいで、あとはほとんど謎の人物と見られていた。 それを主人公にしたことで、色々分かってきた。
まず彼女は元々旧ソ連の特殊部隊として育てられているが、恐らくソ連崩壊に伴い、個人の私兵集団レッド・ルームで活動していた。つまりそこにはイデオロギーはなく、ただ命令によって人を殺すというロボットのような殺し屋であったこと。そんな組織にいる事に耐えられなくなったためにS.H.I.E.L.D.に入ろうとしたということ。おそらくは彼女はS.H.I.E.L.D.に入隊した理由はこれまでの殺人を全て不問にするためであったと考えられる。そのためにレッド・ルームを壊滅させたはずだった。
ところがレッド・ルームは生き残っていて、更に洗脳の技術を上げ、スパイ時代にナターシャの妹として育ったエレーナも完全洗脳状態にしていたのだが、偶然からその洗脳が解け、ナターシャに救援を求める。
アベンジャーズから離れてしまったナターシャが戦う術はスパイ時代だった両親から情報を得ることと鳴り、結果的に本作は偽装されていた両親と娘二人の四人による家族ヒーローの話になっていた。
根本的な問題として、ナターシャがこっそり現アベンジャーズに情報を流すせばそれで話は終わってた気がするし、頼る存在として逃亡中のキャプテンやワンダ、ワカンダもあるんだが、その辺全部すっとばして家族の話にしてしまった。
そのお陰で巨大組織に立ち向かうファミリードラマと言った風情で、スケールが大きいんだか小さいんだか分からない話になってるが、素直に楽しめるだけ良かったんだろう。特に家族一丸となって戦うシチュエーションは私の大好物。アクションも相当に力入っていて、レッド・ルーム壊滅からの脱出シークェンスはまさに手に汗握る緊張感。やはり大画面で観て良かった。
初登場のヴィランとなるタスクマスターもキャラが立ってるし、後の二代目ウィドウとなるエレーナ役のフローレンス・ピューは『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』(2019)のエイミー役演ってたときも個性的な役者だと思ってたが、アクションも出来ることが分かって驚き。
大きな予算を掛けて概ね高水準にまとまっているが、まとまりすぎていて小粒感が強かったところだけが不満。
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