この手の話はどうしてもクサくなりがちだけど，私にとっては，この作品くらいがギリギリ限度。作品としては散漫だけど，心温まる話はとってもいい。そして，教師ってすばらしい職業なんだなと素直に感動できる。

しかし，最初はデモシカ教師だった主人公があれほど生徒に慕われるようになった過程や，聴覚障害の息子に対する気持ちの移ろいを，もう少し丁寧に描き込んでほしかった。ちょっとストーリーを追っていくだけのような感じだったのは，残念。

それと，妻が持っているカメラがだんだん新しいものに変わっていくことをさりげなく描くことによって，歳月の経過を表しているところは実に巧いと思った。