[コメント] 香華(前編・後編)(1964/日)
3時間を超える作品をほとんど二人だけで保たせる。それが出来ただけで充分凄い作品です。ちょっとストレス溜まりますけど。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
本作はたまたまだが昔読んでいて、これが映画化されたと言うことを知ったのはつい最近。しかも木下監督作品で3時間を超える大作である。しかし、これをこれだけの長さで映画化出来るのか?正直それが感想。だってこの作品、女性の障害を描くと言うには、あまりにキツすぎる作品だって事は分かってる。何せこの作品って、ほとんど母と娘の二人しか登場人物がおらず、それが延々とくっついたり離れたりを繰り返すだけの作品だったから…
それで観て驚いたのは、本当にその原作をそのまま映画化しているという事実。奔放で勝手すぎる母のわがままに長々とつきあわねばならない娘のやるせなさが延々と描かれるばかり。観ててストレスが溜まるよ。
しかし驚くのはそれでこの作品、全然飽きさせてくれなかった。物語の展開が分かっていると言うこともあるけど、時間の断絶を巧く使って「へえ。ここにこの演出か」とか、唸らせてくれた。前後3時間の長丁場を飽きさせずに作ったというだけで、木下監督の凄さが分かるというものだ。
出来そのものは本当に邦画そのもの。と言う感じなので、こう言うのが好きな人は是非ともお薦めしたい。ただ、原作をあらかじめ読んでおいた方が本作は楽しめると思う。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。