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[コメント] 未来世紀ブラジル(1985/英=米)

20世紀のどこかの国の管理社会に暮らす主人公サムは夢みることを愛する男なのであるが、その夢の世界はどこか凡庸である。
さなぎ

紅野謙介先生が講義そっちのけで、こないだ凄い映画を観た!と力説するのに感化されて観に行った。インディジョーンズやバックトゥザフューチャーで育ってきた身体には刺激が強すぎた。コップの水にブルーブラックのインクを一滴たらしたみたいな感じ。ゆっくりとしかし着実に浸透し、もう元には戻れません。濾過しても無駄。

20世紀のどこかの国の管理社会に暮らす主人公サムは夢みることを愛する男なのであるが、その夢の世界はどこか凡庸である。 反面、現実世界は徹底的にグロテスクで、様式美すら漂わせながら彼を蹂躙する。穴開けた天井を埋め戻ししようとしたらサイズが合わなかったり、冤罪よりも拷問費用の精算ミスの方が重大事だったり、そして、必要手続書類不所持を極度に怖れる政府公認暖房修理人!。面白くて仕方がない。

その後、私は『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』までテリー・ギリアムさんに付き合ったのだった。

(評価:★5)

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