[コメント] タクシードライバー(1976/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ラストシーン。ベッツィーをタクシーから降ろした後、バックミラーでトラヴィスが見たものはなんでしょう?
私の妄想ですが、それは次の「仕事(ターゲット)」だと思っています。
アイリスを銃撃戦で救出したトラヴィス。彼は最後に銃口を自分に向け自殺を試みますが弾が既に無くなっていて死ぬことができませんでした。彼はこの事で「神に選ばれた(自分しかいない)」と理解したのではないかと思います。 新聞は殺人犯であるはずの彼の行動を讃え、アイリスの両親からも感謝の手紙を受け取り、彼の気持ちは確信へと変わったと思います。
ヒーローとなったトラヴィスをヴェッツィーは選挙戦に使おうと近づいたのかもしれません。しかし、そんなベッツィーをトラヴィスは見透かしています。彼は神を味方につけ、この街を浄化するために選ばれた人間だと考えています。ベッツィーのような偽善的な人間とは格が違うと思っています。
シークレット・サービスに守られ、冷たくてよそよそしい薄っぺらい偽善者に支援されているような政治家に、期待するものはなにもない。この汚い街を浄化するために選ばれたのは自分だとトラヴィスは確信したのです。
ラストシーン。ベッツィーへの興味はすっかり失せているトラヴィスは神から次のターゲットの登場を知らせるブザーを聞き、バックミラーをそちらに向けたのです。 バックミラーを見る彼の目は獲物を探す獣のようでした。
世の中をよくすることができない政治家。そして自分では何もしない支援者たち。
狂気?
一体どっちが狂気だって言うんだい?
お前は何者かだって?
俺かい?
俺はタクシードライバーさ。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。