[コメント] ガキ帝国(1981/日)
決定的にセットアップが弱い、と感じた。冒頭30分を経過してもキャラクターたちの抱える葛藤が今一つ判然としないため、お話がどこに向かっていくのか非常に推進力に欠けるストーリーテリングにとどまっている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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さらに輪をかけて、役割の重複するキャラクターが複数存在したり、唐突かつ物語の進行に寄与しないアクションシーンが挿入したりで、ベクトルが散漫。まあ、無軌道なガキどもの喧嘩を描いているので、そもそも明確なベクトルなんぞ存在するわけもないのだが、映画としての骨格が見えてこないのは、商業映画として及第点とは言い難いのではなかろうか。また、ケンカシーンはじゃれあいのようなビンタと空を切るキックの連発で、子猫のじゃれあいのようにしか見えない。島田さんはカリスマ性のあるガキ大将を大変好演しているとは思うが、やっぱり細身が過ぎてケンカが強そうにとても見えないのは問題がある。
とはいえ、それでも最後まで観客をひきつけるマジックをきちんと持ち合わせた映画だとも思う。最大の要因は、前述した通り島田さん演じる主人公のキャラクターの魅力だ。ヤンチャで自由を愛するが、女にはイマイチ持てず、突飛な行動の割に常識は持ち合わせている、という特異な性質の持ち主である。趙さんの演じるケンちゃんも素晴らしい。番長の隣にこういうクールなヤツがいるチームは、得てして強い。
作品のテーマは「青春時代の終わり」であり、作中のモチーフに照らし合わせれば「ガキ帝国の凋落」である。その象徴として、最終的に本作は非常にビターな結末を迎える。このテーマについては、監督の最新作『ヒーローショー』にて、技術的に更に昇華されて表現されていると思う。
(評価:)
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