無言＝一言も言葉を発しない…ということがいかに恐ろしいか？を単純な形で突きつけてくるという意味では，この作品と『ターミネーター』が双璧ではないだろうか。

登場人物が言葉を発したり，泣き笑いしたりするのが当たり前…という感覚に慣れきっているせいか，トラックが無言・無表情で（トラックは当たり前だが，運転手が出てこないという点で）迫ってくる迫力とスリルは凄まじい。結局のところ，無言・無表情が怖いのは，何を考えているのか全くわからないからだろう。それに無駄な描写がないので，怖さや不気味さが一層強くなっている。

ただ，ラストでトラックの正体が明かされるのだろうと楽しみにして観ていたわりには，結局何も明かされないまま終わってしまったのには，少々拍子抜けがした。