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[コメント] 長靴をはいた猫(1969/日)

この時代になっても、東映動画の実力には心底感心出来る。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 長らく東映の看板を務めてきた、いわば“東映の顔”ペロの初出作品。

 東映動画の劇場用アニメーションは質の高いのが多い。実際、子ども用の作品で、その当時は物語とアクションで楽しめるが、その後長じてから見直してみると、今度はアニメーション演出の凄さに感心することになる。

 それは、全編がアクションというわけではなく、必要な場所に徹底して細やかな演出をするという姿勢で、ここを描くために、この流れがあった。と思わせる部分。

 それはラストの魔王とペロのチェイスシーンに良く現れているが、そこに持って行くために、演出を溜めつつ、しかも飽きさせないように工夫された作風には、今でも新鮮な思いで観ることが出来る。

 子どもの頃に面白いと思った作品で、大人になってもその鑑賞に堪える作品って、やっぱり貴重だと思える。東映動画作品って、そのレベルに達したものを提供し続けられたという意味では私の中では重要な位置づけにある。

 それに、本作が高畑勲、宮崎駿という二大巨頭を誕生させることになった事実を以て、その源流を辿るには必要な作品とも言えるだろう。

 でも、一言で言うなら、「面白いから是非観てね」で済んでしまう訳だが。

(評価:★3)

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