[コメント] 心のともしび(1954/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
とはいえ、演出面に関しては、そんな影響は殆ど見られないと言っても良いだろう。相変わらず唸らされる演出には事欠かない。
いわゆるそこらへんに転がっていそうな通俗メロドラマなのだが、まずは「フィリップス博士を登場させない」という大きな仕掛けを施す。このフィリップス博士という非現実とも思えるほどに善意の塊のような人物は、一人の人間というよりはひとつの「観念」として機能していて、観念は実体を持たないものなので、それゆえに視覚には映らない。しかし、作中見えない形で確かに存在している。
さらに、ここにランドルフという一人の画家を登場させる。彼の役割はいわば「触媒」のようなもので、彼を口を通してフィリップス博士の教えが告げられ、また、生前彼が生きていればそう振舞っただろうかのように振舞う。そして、自らが触媒であることを決定的に示すのが、ラストの手術のシーン。恐怖に躊躇するボブが「見上げる」視線の先、ほぼ頭上に彼がいる。このそれぞれの立ち位置が全てを物語っているのではないだろうか。
ともあれ、他にも見るべきものには事欠かず、ひとつひとつにそれぞれ意識を置いて映画が作られている印象。ただ、個人的には徘徊する亡霊と、それに憑かれた男の不可思議な物語、としてとらえようかと思う(でなければ、安直さについていけない部分があるので)。
・・・ちなみに、年齢的にはボブとジョイス、ヘレンとトム、のような気がするけど、あえて逆になっているのが面白かった。何か意味があるのかな。[3.5点]
(2008/3/20)
(評価:)
投票
| このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。