[コメント] シティ・オブ・エンジェル(1998/米=独)
天使さんの存在論やら価値論はどこに…
「ベルリン天使の詩」のハリウッドリメイク版です。「ソラリス」と同じく、オリジナルのハリウッド的簡易版という印象。
ただこの映画、物語りすぎてる感じがします。森羅万象すべて脳内現象派のボクとしては、ここまではっきり天使さんが主人公でばしっと登場し、天使さんの感情をたっぷりどっぷり見せられてしまうと、もう天使さんの存在論やら価値論など語る隙間などなく、「天使さんのお話」として受け入れざるを得なく、「あらまあ可愛そうな天使さん」と、そういう話に過ぎなくなってしまいまする。ここで登場する天使は明らかに天使であり、何かの象徴だったり真理だったりとかじゃなかろうか…と、そんな理屈が語れなくてやや不満。「ベルリン・・・」に見受けられた人間の営みの悲しさ的な要素がはしょられてて、やっぱハリウッド的といわざるを得ない。天使の恋する相手を腕利きの女医にしてしまったのも原因でしょう。悲しきサーカスの劇団員だからよかったのに・・・。
この映画、泣けはしませんでしたが、「触れる」「感じる」というとても重要な人間存在の真理を丁寧に描いてあるので、駄作とも言いたくない。ニコラスケイジも嫌いじゃないし、まあいっか。
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