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[コメント] ブリット(1968/米)

現代の目で見るとアクション自体はもっさりした印象受けますが、やっぱりマックィーン格好良い。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 マックィーンの設立した製作プロダクション“ソーラ・プロ”の第1回作品で、ロバート=L=パイクの小説「ミュート・ウィットネス」を映画化。1969年全米興行成績3位。

 1970年代から当たり前のように作られるようになったはみ出し刑事の捜査作品の走りとなった作品。どれくらいこの影響が強かったかというと、この年を境にして、カー・チェイスを売り物にしたアクション映画が山ほど出てくる事からも分かる。特に80年代のハリウッドを支えた屋台骨は本作のパターン(現在も尚継続中)。それこそイーストウッドやマーフィなど、数多くのスターはこのタイプの作品を足がかりに大スターへとなったのだから、後の映画史に大きな功績を残した作品として知られている。後に数々のジャンルを開拓していった傑作揃いの1968年映画の中でも全く引けを取っていない刑事物の傑作と言えるだろう。

 洗練され、スピーディになった現在の映画を観た後では演出もややもっさりしているし、肝心のカー・アクションもそんなに派手なことはやってない(なんと12分間ものカー・チェイスなのだが)。実際物語上語れる所はさほど無い。でもやっぱり面白い!と思わせるのはマックィーンという俳優の存在感に他ならないだろう。

 本作は既にスターとなっていたマックィーンの新境地で、新たな魅力を開拓できた。そもそもマックィーンは大の警察嫌いで知られていたが、逆にそれが“はみ出し刑事”に見事に合致した。警察が嫌いだからこそ、型どおりの刑事を演じなかったのが、やはりマックィーンらしさかな?本作のヒットによりタートルネックセーターが流行したというおまけも付いた。

 尚、監督のイェーツを指定したのはマックィーン本人。イェーツ監督はイギリス人でアメリカでは無名だったが、『大列車強盗団』を観て惚れ込んだマックィーンの直接指名で監督に起用されたという。

(評価:★4)

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