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[コメント] ダンス・ウィズ・ミー(1998/米)

設定だけ見ると「いなかっぺ大将」だな。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 事前情報で音楽を聴いただけで踊り出すという設定を知って「いなかっぺ大将」の風大左衛門か?というなんとなく妙な思いを持って観に行った。

 全般的に言えば、昔の雰囲気たっぷりの作品だ。おんぼろ車で地方回りをして、行った場所で歌って踊る。これは昭和のロードムービーっぽさ満載だし、歌われる曲も懐メロっぽいのが多い(平成の曲がメインだけど)。できるだけ金遣わないでコメディを作ったらこういう感じになるんだろうというのが見え見え。設定的には到底2010年代に作られるような作りの作品ではない。

 だが、それを“音楽を聴くと踊り出す”という無茶苦茶な設定でミュージカルとして成り立たせてる。そもそも映画冒頭で「日常生活で突然踊り出すミュージカルは不自然」と言い切った上で、開き直って作ってるのだ。最初からこの作品は嘘くさい作品だと説明した上で作ってるので、その点について文句を言う筋合いはなかろう。作り手の方が確信犯なんだから。

 そう考えてみると、本作の安っぽさも、嘘くささの張りぼて感だと割り切ってしまえる。リアリティよりもお伽噺的なものを作る事を目的としているのだから。

 その上で見るならば、本作はしっかりとしたロードムービーとして成立してる。まるで冗談のような嘘くさい設定に放り込まれた主人公が、変人達に囲まれていく内にその嘘くささの上で自分を見つめ直し、本当に嘘くさく生きていたのはこれまでの自分であることに気づいていく。ロードムービーとは主人公の心の成長の物語なのだから。

 あくまで小品と言ったところだが、これはこれで映画としては充分「あり」な作品だろう。

(評価:★3)

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