[コメント] わんわん物語(1955/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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1955年全米興行成績7位。ディズニーの技術力を見せつけた作品で日本でも大いに受け、特にレディとトランプのスパゲティシーンはディズニーアニメの名シーンの一つに数えられる。
ただこの作品に関しては、私はかなり複雑な思いにさせられる部分あり。物語自体が悪い訳じゃない。演出に関しては水準の遥か上を行っていると言っても良いくらい。アニメーションの技術的に言うなら文句を言う筋合いは一切無い。むしろ素晴らしい位なのだが…
それでもどうしても本作に関しては最低点を付けてしまうと言う理由は、単純に私が70年代に少年時代を生きていたという、それだけに尽きる。
私が生まれた時代はまだヒッピーの勢いがあった時代で、映画についてもニューシネマが盛んな時代。日本では「あしたのジョー」が放映中。これを観て私は成長したのだ。で、ジョーの生き方とは、どんな逆境に陥っても、拳で自由を得る。それを心に決めた生き方に他ならない。
つまり、ここに出てきたトランプの生き方のはずだった。彼の存在は、首輪付けられて満足しているレディを導く立場にあったのだと思ったのだが…
しかし、あのラストは!
トランプは首輪付けられてあんな満足気な顔をしてちゃいけないんだよ。
いくら自由自由と言っても、結局小さくまとまる事が人間にとっての幸せって事なんだろうか?
あるいは結局は犬っころは人間に首輪かけられて餌与えられて満足してれば、それが幸せなのか?犬はいくら喋れる存在でも人間に劣る存在に過ぎないと言うのか?
どうにもすっきりしないラストになってしまった。
結局どれだけ出来が良くても私自身の心が納得しなかったと言うことで、この程度の点数にならざるを得ない。
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