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[コメント] ピーターパン(1953/米)

過去の遺産に縋って生きるんじゃない。これだけの作品がちゃんと作れたんだ。ディズニーアニメはもっと原点回帰して、良い作品を作って欲しいよ。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 子供の頃、私の部屋には母が買ってくれた福音館の分厚い童話がたくさん置いてあった。「トム・ソーヤの冒険」「宝島」「ピノキオ」等々…繰り返し繰り返し読んだものだ。その中でも「ピーターパンとウェンディ」はお気に入りで、随分と読んだので、20年以上が経った今でも、ストーリーは明確に思い出せるし、台詞のいくつかはまだ覚えてる。

 全世界のこども達に読まれている本当の名作で、何作かこれを元に映画も作られている。これをベースにした『フック』もあるし、『E.T.』だって、多分これがベースになってる。2002年には続編も公開された。

 その中で最も良く知られているのが本作品。ウォールト=ディズニー自身の絶対映画化しようと言う意気込みによって作られただけあって、原作を上手く消化吸収しているし、何よりアニメーション技術の質の高さよ。

 何より終始無言でありながら、存在感が際だっていたティンカー・ベルが特に良し。喋らないからこそ、存在感を引き出す事だって出来ることを改めて感じさせられた。先日テレビでやっていたので吹き替え版で観直してみたが、この時代でここまでよく動かす事が出来たと言う事実に驚嘆した。

 このアニメーションが映画界に与えた影響が大きいのも頷ける。

 ただ今になって観てみると、ストーリー的には「おや?」と思う事も多い。

 原作は意外にハードな展開で、ティンカー・ベルは本当に死んでしまうし(原作読んだ時はマジ泣いたっけ)、フック船長も最後はワニの腹の中だったはず。何よりラストが違うってのはかなり不満(敢えてどこが違うとは言いません)。

 だけど、考えてみれば、それも本作が子供用に。と言う事をしっかり念頭に置いて作られたからだからだろう。絶対登場人物は殺さないし、危機は危機として、ちゃんとユーモアも忘れてない。限られた時間で、最大限こども達の視点に立って作ろうとしている姿勢には頭が下がる。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)らーふる当番[*]

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