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[コメント] ガス燈(1944/米)

冒頭でバーグマンとボワイエのキスシーンは、バーグマンの方が上背があるため、木箱を用いてのキスシーンとなったそうな。大柄な女性って言うのは、それはそれで苦労があるようですね。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 いわゆる戦中から戦後にかけて流行するニューロティック・スリラーの走りと言える作品で、ストーリー自体はやや説得力に欠けるサスペンスなのだが(ストーリー的に強引すぎ)、本作品はとにかく雰囲気が良い。幸せの絶頂にありながら、徐々に忍び寄ってくる不安と、それを裏付けるような証拠。何よりバーグマンの表情の変化が見事で、観てるこっちが完全に誘導されていた。その緊張感の持続の割にオチの弱さが少々気になるところだが、途中経過だけで充分元を取ったって感じ。

 キャラクターに関しては、何と言ってもバーグマンの表情の素晴らしさ。ここに尽きる。最初の幸せそうな屈託のない笑顔が徐々にこわばり始め、中盤の放心したような表情へと向かう課程が見事だ。最初善人に見えるボワイエの変節ぶりも、要所要所に登場するコットン(バーグマン共々MGMから借り受けたそうだ)の使い方も良い。あとラズベリー演じるメイドの行動が妙で、それも面白い。いずれにせよ豪華なキャストだ。

(評価:★4)

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