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[コメント] マリリンに逢いたい(1988/日)

動物出せば感動作が出来ると思い込む80年代。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 好きな雌犬に逢いたいが為に泳いで海を渡るという犬の実話を元に、この映画のために野沢尚が原作を書き、それを映画化。1988年邦画興行成績8位。

 1980年代後半の邦画の際だった特徴の一つに、やたらと動物を絡めた作品が多いというものがあった。多分それはたまたま『子猫物語』(1986)が大ヒットを飛ばしたという事だと思うのだが、その当時の求められていたのが“可愛さ”というもの、あるいは動物特有の健気さというもの。軽佻浮薄な時代にあって、人はなかなか信じられないけど、動物はこんな一途さがある。そんな動物に照らして不器用だけど一途な人間だっているんだ。という具合に話を持って行きたがっていたようでもある。主人公像を作るのに相当苦労した時代だろうと思う。

 ただ、出来た作品全てが本当にどうしようもないものばかりというのが悲しい。本作もやっぱりその範囲を出るものではなかった。実話を元にすると言っても、実際には普通の若者の恋愛話を主軸にしているわけだし、今やテレビ界の重鎮の一人とも言える加藤昌也だが、この当時の演技は観られたものじゃなかった。巧さはあるんだろうけど、恋愛映画にほとんど思い入れのない人間からすれば、観てるだけで背中が痒くなってくる。

 あと、元も子も無い事を言わせてもらえれば、実話が元だとしても、牡犬を放し飼いで飼っているのは、この時代でもまずいよね?実際何匹もの雌犬と盛ってこども産ませてるわけだし。それを良い話にしてしまったら、雌犬の飼い主が可哀想だ。

(評価:★2)

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