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[コメント] レイズ・ザ・タイタニック(1980/英=米)

強者どもが夢の後。こういうのがあって、その中で傑作が生まれることもあるのです。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 クライヴ=カッスラーによる傑作冒険小説シリーズのダーク=ピットシリーズの初映画化(2作目が2005年になってなんだが)。イギリスのプロデューサーであるルー=グレード卿がハリウッド進出を目指して製作。イギリス資本映画にしては極めて大がかりで、その力の入れ具合が分かる。特にタイタニック引き揚げのシーンの力の入れようは凄い。ミニチュアとは思えないほどの迫力ぶりを見せていた。

 ただ、それが成功したか?と言うとこれが極めて微妙。物語の設定は悪くない、残念ながら原作の設定が活かされているとは言えず、薄味のアクション作品に仕上げられてしまった。詰め込みすぎるよりは良いのかも知れないけど、ここまですっきりさせすぎるのも問題。ラストの展開も、本来唖然とすべきところが、「骨折り損のくたびれもうけ」としか見えない。これだけの犠牲を出しておいて、オチが質の悪い冗談に見えてしまったのが最悪だろう。

 それで結局やはり売れなかったらしく、アメリカでは不振。結局グレードはアメリカから撤退を余儀なくされる。映画史に埋もれた夢物語だったのだろう。

(評価:★2)

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