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[コメント] 双生児(1999/日)

皆眉毛が無くても、竹中直人はいつもと同じ。だけど、その姿が逆に爆笑を誘う。 2003年5月24日ビデオ鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「俺はゲテモノ好みなんだよ」竹中直人のこの台詞で、この映画がコメディなんだと気付いた(笑)しかし、その後の展開でこの映画はホラーなのかと疑ったが、その後、やはり恋愛映画なんだと思い出す。よく分からないが・・・。

個人的には『鉄男』の方が好きなのだが、この映画にもしっかり塚本映画の魅力が詰まっていたと思う。特に貧民窟の描写は素晴らしく切れてて、監督の趣味全開(?)で、最高に最高だった。カメラワークも見事な物で、ぐいぐい引き込まれる。勿論音楽も素晴らしい。

しかし、何より役者達が凄い。主役の二人はマジで多重人格なんじゃねーのかって思うくらい、半分多重人格。っていうか、俺は最初、この映画を多重人格物かと勘違いしていた。結果的には「双生児」、つまり瓜二つの男の話だったんだけど、ラスト、二人が融合してしまった辺り『鉄男』を彷彿とさせる(笑)って事は、その後二人の愛で世界を変えるってか!?

とにかく、主人公の女性、この人も素晴らしい。貧民街の「ゲテモノ」からの突然の変貌。あの変わりようはすさまじい。強烈なアフロヘアから浮き輪ヘアへの大改造。まさに「○ューティー○ロシアム」ですね。あと、男主人公の本木さんも凄い。この人の二役はマジで壮絶で別人かと思わされた。

結局、俺はこの映画を多重人格物と勘違いしていたので井戸は、人間の内面で別の人格が元の人格を拘束(?)しているものだと思い込んでいたが、あれは単純に双生児が双生児をいじめてただけなんですね。

けど、この映画ってどことなく『鉄男』と似ていて、もしかしたら塚本監督が『鉄男』を見易いようにアレンジしたんじゃないのかな?勿論俺はこの『双生児』よりも『鉄男』派なのだが。

とにかく、クライマックス、つまりラスト30分前辺りからの人物の入れ替わり、演技合戦と、全編に流れる塚本ワールドを堪能して、最後の最後に二人が融合した本木の姿を見てどっぷり浸れました。ただ、やっぱりなんとなく普通の空気が流れていてあんまり好きになれない。

一応この映画を見たのは塚本ワールドを堪能する為で、確かにこの映画は彼の雰囲気がバリバリ流れているが、どこか抑えすぎている気がする。確かに素晴らしい演出に面白いストーリーなのだが、、、、もっと切れてくれ!

(評価:★4)

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