[コメント] ブロークダウン・パレス(1999/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
これは絶対見るべき。 私は名前すら聞いたこと無かったが、タだ券あったのと、外のポスターの、 「あなたの夢は何?どこまで冒険できる?何を信じればいいの?」という文句に引かれて、見てみた。 そんなに映画情報に詳しいわけでは無いから、私が名前すら聞いたことがないのでも、けっこう有名っていうの在るけど、 タイタニックほど有名じゃないのは明らかだということぐらいは分かる。 何でこんなんをでっかい映画館でやれへんのかなと思う。タイタニックなんか目じゃないのにな。 同じ20世紀FOXやのに。やっぱり宣伝に掛けられる金額の違いかな。 観客は、全部で30人弱。久々に帰りの途では、可也余韻に浸って歩いていた。 いろんなことを考えたので、見て考えた証を残しておく。
内容は、クレアデーンズ扮するアリスと、友達の(名前分からん)ダーリーンは無二の親友だった。 大学かなんかで、分かれ分かれになるから、二人で旅行に行こうということになった。 性格は正反対で、アリスの方が、おてんばな方で、ダーリーンの方が、真面目な方。 アリスは、ハワイに行く予定だったのを、タイにしようと言い出す。 二人は親に内緒でタイに行く。 タイでは安宿に泊まっていたが、宿泊客しか入れない高級ホテルのプールに忍び込んで遊んでいた。 其処で日光浴をしているところへ、ボーイに会計の為、何号室にお泊りですか、と尋ねられた。 アリスが適当に答えたのだが、それはたまたまそこにいた他の日光浴をしている人の部屋番号であって、 ボーイに不信に思われ、宿泊してないんだろと言われ、困ってるところへ、ある見知らぬ男が来て、助けてくれた。 それから、パーティへ行ったり、遊んだりして、その男と二人は仲良くなり、 その男を取り合うみたいなとこもあるが、一緒に香港へ行かないかと言われる。 男は仕事で先に行っているから、後で来てくれと言われて空港へ行ったのだが、 タイの空港の検査するところで、二人は麻薬密輸で捕まる。 後で判ったのだが、これはあの男にはめられたのだった。 男は同じ便で他にも6人の女を密輸に利用していて、アリスとダーリーンは、他の6人にうまく運ばせるためのおとりだったのだ。 あの男が空港に密告していて、タイは麻薬に厳しいらしく、空港の職員は捕まえたら賞金が貰えるらしい。 二人が捕まえられているうちに、他の6人が通るという。 すぐに刑務所に入れられ、やってもない罪を着せられる二人。 言葉も分からず、厳しい生活を強いられる。 無罪になるには、その男にはめられた証拠が要る。が、男の消息が掴めない。 ダーリーンの父親が面会に来たが、娘がいないところでアリスに暴言をはく。 おまえのせいで娘がこんなことになったじゃないか、またやったのにいつものやってませんで通すのだろう、と。 本当にやってないのに…。 ある弁護士が、途中であきらめたが、放っておけないという気持ちで、 二人を助けようと頑張ってくれて、上に書いたようなこと(おとりだったこと等)が分かった。 最後にアリスが嘘をついてダーリーンを助けてあげとこはもう、涙涙だろう。悲しいかな、私は出なかったけど、心の中で泣いていた。 表現力というか、体現力(?)が豊かな人だったら、ハンカチ無しでは見られないだろう。
中国に留学に行く私にとって、ためになる映画だった。甘く見ていたと思わさせられた。 この話しはタイが舞台だが、基本的なことは同じだ。 人を簡単に信用してはいけないこと、がまずある。 親切にしてくれる人でも、その真意は分からない。 でも、警戒しすぎて、他の人との接触を一切無くしてしまうのも、したくない。 折角の好意を無駄にして、断ってばかりいると、自分の世界が狭くなるだけだ。 だけれども、どこまでオープンマインドでええんか、今の私にはまだ分からない。 それは暮らしていくうちに分かるようになってくるものかもしれないが、 この映画と似ている実際にあった話しを、或る人からラジオで聞いたと聞いたことを思い出した。
30歳の女の人がオーストラリアを一人で旅行してて、かばんを盗まれてしまった。 ずっと同伴してくれていた現地の人が、新しいのを買ってきてあげるよと言う。 そりゃ、その人と何日か一緒に居たから、信用している人である。そしてちゃんと新しいのを買ってきてくれた。 然しそのかばんの中には麻薬が入っていて、その女の人はその国で懲役30年の刑を下された。30歳の人だから、60歳までである。
最近話しを聞いたばっかりだから、背筋が凍る。
また、留学に限らず、この映画は、考えさせられるところがたくさんあった。 上に書いた、ポスターの文句、「あなたの夢は何?どこまで冒険できる?何を信じればいいの?」。 誰にでも、「夢」ってあると思う。夢と言ったら大袈裟だが、小さくても何かやりたいことはあるはずだ。 例えば、あれが食べたいとか、あの人に会いたいとかいうような、些細なことでも「夢」だと私は、思っている。 それを実現するために、どこまで冒険できますか?という問いかけなのだろうと思った。 冒険はすることで自分の世界が広がり、成長できると思うから、多いにするべきだと私は思う。 でも、どこまでできるか、どこまでやったらいいか、これは人によって違って当たり前だし、それが個性だと思う。 では自分がどこまでできるのか、どこまでやるべきなのか、それは先にも書いたが、まだ分からない。 ただ、日本に居るように、やれるだけやったらいいと思ったり、本能の赴くままに行動していたりしたらあかんのだと思った。
ビデオになってるのを見かけたら、必ず見ることをお薦めします。後悔しません。寧ろ見ないことが後悔します。 と言っても私の主観的意見ですので、悪しからず。
2000.2.29記
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