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[コメント] ダーリング(1965/英)

恋多き女性と見られているけど…物語は結構硬質です。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 この時代既にモナコ公主の妻に収まったグレース=ケリーをモデルとして描いた作品と言われ、華々しい男遍歴を持つ女性が主人公なのだが、決して彼女は打算的な、あるいは上昇志向が強い訳ではないのが特徴だろう。彼女はちょっと目立ちたがりなだけで決して多情な女性ではなく、好きなのはただ一人しかいないのだが、社会的にそれは許されず、更に放っておいても男達の方が勝手に彼女に惚れていく。結果的に押しきられる形で男性と情を交わす事になるのだが、社会的にいかに成功しようとも、彼女には満足がない。一見単なる女性版成り上がり物語に見えつつ、内容は結構硬質。

 この辺はやはりシュレンジャー監督らしいと言えようか。描写そのものが大変シニカルで、男性中心社会をたっぷりと皮肉った作品に仕上がっている。

 結局彼女が求めていたのは何か?と問いかけるようなラストの余韻も良し。

 カトリック教会によるアメリカの独自検閲組織「リーグ・オブ・ディーセンシー」によりヌードにクレームがつけられてもいる。何かとお騒がせな映画だった訳だ。

(評価:★3)

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