[コメント] 栄光の彼方に(1983/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
クルーズ主演の、しごくまっとうな高校生スポーツ作品。至極まともではあっても、本作はかなり設定的には面白い。以降えらそうに書いてるけど、基本受け売りだからそのつもりで。
アメリカは“全土が田舎”と言われることもあって、国民の大部分は田舎育ちなのだそうだが、肝心の映画の大部分は都会を中心としている。田舎を主体にして、しかも都会のあこがれをストレートに描いたリアルな高校生を描いた作品というのは驚くほど少ないのだ。その代表作として『アメリカン・グラフィティ』があるが、だけどこれが実際のアメリカの高校生の姿とも言える。
狭い日本に住み、比較的日本のどこにでも行ける日本人にはあまり実感できないことなのだが、アメリカでは基本的に生まれ育った場所で成長し、高校を卒業したら大多数の人間は同じ町で働いて一生をそこで過ごすことになる。そんな町の人が都会に出るためには並々ならぬ才能を必要とする。たとえばそれは勉強であり、スポーツであるのだが、それにはものすごいお金がかかるため、普通の家ではそれができない。そのために普通の家庭に育った人が都会に行くためには奨学金がどうしても必要となる。それで当然ながら、奨学金を得るには、ものすごい努力が必要。
主人公のステフが何故ここまで必至になるのかは、結局ここにある。吉幾三の「俺さ東京さ行ぐだ」じゃないけど、都会への憧れというのは、日本の比ではない。田舎を舞台にした高校生の作品というのがあったら、そう言う目で観ると興味が増すだろう。 本作はそんな姿をストレートに描いた作品であると言える。
ただ、物語はものすごく単調。特にクルーズ演じるステフは“普通”を強調するあまり、行動が矛盾だらけで、性格もいい加減だし、物語に爽快感も一切無い。ただ単調な物語が続くだけ。折角のクルーズ主演も、その魅力半減。もうちょっと物語にメリハリを付けて欲しかった。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。