コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] モスラ2 海底の大決戦(1997/日)

いくら真似しようとも、もう本多猪四郎はいません。その事に気づかなくては…
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 前作の出来にもかかわらず(?)続編が作られたと言うことは結構驚きだったりする。映画単体の出来としては最低も良いところだが、一つだけ本作には、特撮には大切なものがここにはあった。

 モスラという存在は、実際は大変使いにくい存在である。それはミレニアム・シリーズの諸作品を観れば明確なのだが、モスラは完全な善玉として描かれる割に、攻撃力の高さを演出できないのだ。蛾の怪獣であるため、空は飛べるものの、どうしても存在が軽いし、格闘が出来ない。怪獣プロレスが全部良いとは言わないけど、組み合うことが出来ないというのはかなり致命的な点。

 ここでモスラはレインボーモスラに変身したりもするものの、基本的にやっぱり動くことが出来ず。で、どうなるかというと、人間ドラマを中心にもってこざるを得ないと言うこと。怪獣映画でありつつ、人間側のストーリーが中心となるというのは、かつての東宝特撮を彷彿とさせて、新しい作品として作られるはず…

 だが、問題は、本多猪四郎はここにはいないということ。そこに尽きる。

 人間ドラマを中心とするならば、特技監督とドラマ部分の監督を完全に分け、人間ドラマの方をもっと実力ある監督にやらせねばならなかった。それを怠ったのが本作の最大の失敗点。この強みを生かせなきゃ話にならないよ。いくら本多猪四郎っぽく作ろうとも、もういないんだから、切り口そのものを変えなくては。

(評価:★1)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。