[コメント] マタンゴ(1963/日)
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無人島に漂着した7人の男女の恐怖を描いた映画。
ある意味『ゾンビ』のような極限状態でのサバイバル劇へ通ずるものがある。ともかくこの映画の主体であるキノコ、マタンゴを極力利用せずに無人島に漂着した7人の男女が次第に見せるエゴだけでストーリーを引っ張る演出が実に秀逸。最後まで理性を保てずにキノコの魔力にひかれて怪物になってしまう人々の姿が丁寧に描かれていて、下手な怪物映画よりも十分怖い。最後まで理性を保っていた主人公が「東京もあの島と変わらない」と語るシーンも非常に印象的だった。
演出面でも鏡に関する伏線はなかなか面白い。またキノコを食べるごとに女性陣が妖艶になっていくところもインパクトがあった。
人間の理性やエゴについてわかりやすく丁寧に描かれていて、人間ドラマという点ではほとんど文句ない出来なのだが、リアリズムという点ではやや不満が残る。例えば、海溝日記を読んで、危ないキノコであることまでわかっているのに、そのキノコを手を触れさせないように処分しようとしなかった点、水野久美演じる麻美がキノコを食べて錯乱状態にあって監禁されていた吉田を逃がした理由が判明しなかった点、麻美にキノコが生えている場所まで案内された笠井がその後どうなったのかはっきりしなかった点などが挙げられる。
またあのラストを考えると主人公の久保も本来ならキノコを食べてなければならないのに、食べていないのにどうしてあのようになってのかも描いて欲しかった。
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