[コメント] アメリカン・ビューティー(1999/米)
結局メジャーなハリウッド映画しか観ていない自分がこれを観て「面白い。」と思えたことの喜び。
ブラピが出ているわけでもなく、ジュリア・ロバーツやトム・ハンクスが出ているわけでもない。爆発シーンもなければ美男美女のベッドシーンもない。プロムパーティーもマンハッタンの夜景もでてこない。主人公はリストラにあった中年親父で娘の友達をネタに妄想し、その妻は自分の理想の生活を保つのに必死で家族のことなどかえりみず不倫に走り、娘はそんな親父と母親を嫌悪しながら豊胸手術の費用を貯めている。物語はそんなあるアメリカのある土地のある一家が静かに崩壊していく様子だけ。地味で暗いだけの話なのに、こんなに心底面白いと思えた。そんな自分に安心したし、脚本で魅せる映画がハリウッドにもやっぱりあるということもよく分かった。勿論、この映画も立派にハリウッド映画でアカデミーもばっちり獲っている。しかしこんな端正な脚本をみせられたのは初めてのような気がしたし、お腹の底がドキドキするような静かだけれど確実な興奮を味わったことは、それまであまりなかった。この興奮と喜びは、『トラフィック』を観たときも感じた。
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