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[コメント] 美女と野獣(1991/米)

念のために言わせてもらうと、本作はコクトー版のリメイクです。お忘れ無きように(済みません。私、コクトー作品のファンなんです)。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 逆に言えば、アニメでオリジナルに遜色のない、いやむしろある意味においてはオリジナルをさえ超えてしまった作品だと言っても良い。

 ディズニー・プロダクションはこれまでにいくつもの実写映画を世界に投入していたとは言え、やはり基本は創立者ウォルト=ディズニーが世界に燦然と輝くキャラクター、ミッキー・マウスを作り出して以来、伝統的にアニメーション製作が最も有名な映画会社だった。だが、これまでしばらくはアニメは専らテレビの方で、映画から離れていたのだが、本作で華々しく復帰した。まるで凱旋記念のような久々のアニメーションは、まさに観るものの度肝を抜くに充分。これまで何度か実験的に行われていたが、実質的には初めて、商業ベースのアニメ作品にディジタルを投入した作品である。  確かにメインは伝統のセルアニメーションが用いられてはいるが、随所にコンピュータ・グラフィックスで彩られた描写がなされることによって、“新しい”アニメーションの可能性まで示してくれていた。

 それにセルアニメーションに関しても、充分な資金が投入されているので、動きの良いこと。ポットやろうそく立てと言った無機物に人格を与えたのはオリジナルのコクトー版に即してのことらしいが、アニメーションだとはまる。その点もやはり素晴らしいところだ。

 ストーリーに関しては、どうせオーソドックスにまとめているに違いないと思っていたら、意外や意外、物語の展開はかなりしっかりしていたよ。特に野獣の方に敵役が存在してるのが良い風味付けになってた(なにもあそこまでしなくても。と言う描写にはちょっと引いたが)。

 いずれにせよ、本作はディズニーアニメーションが健在であり、これから発展していくことを高らかに主張し、日本のアニメに押され気味だった映画業界に活を入れ、更にCGを映画の中に岩か難なく取り入れる可能性を示唆した。映画史に残る作品であったのは事実だ。

 …そして、その映画史を見事に踏みにじるようになったのが、当のディズニーであったことも、やはり事実であることは明記しておくべきだろう。

(評価:★4)

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