[コメント] ボーン・コレクター(1999/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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テレビ放映(2005.5.15)で観たせいか,例えば,ラストでセルマの安否がわからないなど,不満に感じた点もあったが,皆さんのコメントを拝見する限り,どうやらそれはカットされたシーンが多かったためではなく,この作品には,もともとそういう描写が欠けていたようで…(^_^;)。
それはともかく,この映画は,話を聞くだけで現場に行かずに事件を解決してしまう,いわゆる安楽椅子探偵(例えばミス・マープル)の現代版で,その設定自体は面白いと思ったが,肝心のストーリーにあまり活かされていないところが残念。ライムはパソコンで何でもできる上,無線でリアルタイムでアメリアに指示できるし,ラストでは犯人と堂々と格闘してしまうし,何のための「動けない」設定なのかわからない。
その他,皆さんのコメントと重複するけど,自分なりのツッコミどころを整理すると以下のような感じです。まあ文句はあるけど,スピーディーな展開には緊迫感もあり,それなりに楽しめたと思います。
1.この犯人って誰? こんな人いた? 犯人の意外性で驚かせるなら,前半でそれなりにきちんと(せめて終盤で出てきた古本屋のオヤジと同程度には)描くべき。欲を言えば,猟奇的な面があるとか,キレたら怖いといったエピソードが一つあれば良かった。
2.あれだけの猟奇的連続殺人の動機が単なる怨恨では拍子抜け。賢い犯人なら,いくらライムを試すためでも,そこまで手間暇かけてリスクを犯さないはず。
3.そもそも,なぜ古い本の通りに見立て殺人をしたのか,なぜあの本を選んだのかが全く不明。見立て殺人って,現実の怨恨関係から容疑者が特定されるのを防ぐために行われるはずだが,今回はそんな必要はなかったはず。
4.あれほど狡猾な犯行を繰り返した犯人だが,ラストではあまりに間抜けすぎ。
5.主人公2人に次いで存在感のあったセルマをあっけなく殺した上に,何のフォローもしないのはどう見ても致命的なミス。死んだなら死んだで,ラストでライムに何か語らせるべき。
6.ライムを天才的な捜査官として描くのだったら,やはりラストは彼の推理で犯人を言い当てる形の方がインパクトがあったはず。
7.見立て殺人のネタ本「ボーン・コレクター」は実話だったのでは? だとしたら,本を探すより早く,誰かが「昔,同じような猟奇的連続殺人があったはず」と気づいたのでは。
8.いくら才能があるとはいえ素人同然のアメリアを何度も単独で現場に潜入させ,検証させるのは,どう考えてもおかしい。あげくの果てに「遺体の手首を切れ」とは呆れ果ててしまう。
9.犯人,骨なんか集めてないじゃん。
10.ラストで急に出てきた姉って誰?(原作では,関係が悪化していた姉と和解したようですが…。)
※ まったくの蛇足ですが,デンゼル・ワシントンがリンカーン・ライム(こちらはファーストネーム)を演じ,彼の後任がチェイニー(現副大統領)というのは単なる偶然にしても興味深いです。
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