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[コメント] 食人族(1981/伊)

惨酷でエグイから見ないのは勝手だけど、見た人は「キモかった」の一言で終らせるべきではない映画。こういうきちんとした「メッセージ性」とか伝えようとした物をもっているグロ映画なら私は評価しますよ。けど・・・ 2003年1月22日ビデオ鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







別に俺は正視できたし、余裕でキモくもなかった。普通に見てましたよ。で、なんで5点じゃないかって?だって、言いたい事はわかるけど、そこまで面白いと思わないもん。

確かに惨酷シーンは壮絶(って程かなぁ・・・まぁすべては『殺し屋1』を見たときから始まったわけだが)は、思ったほど惨酷ってわけでもなく「ふ〜ん」って感じで観れる程度。

そりゃ、亀はまじで壮絶かもしんないけど、結構普通に正視できた。そりゃ、映像的には壮絶だよ、どの惨酷シーンも。ただ「正視できた」だけの事。

最初、入ってた予告で「目を背けるな、彼らも人間なのだ」ってキャッチコピーがあった。最初見る前は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の原型と聞いてたから、あの映画みたいに完全にドキュメンタリーかと思ってたら、最初は普通の映画。っていうか、この映画をどうやったら「本物」と判断するんだよ!そりゃ、リアルタイムで見たわけじゃないから、そんなに言えたことじゃないが。

だから、そのキャッチコピーをみて、この映画はやらせながらも「未知の領域」を描いてる映画だと思ってた。劇中にも「宇宙よりも地球を調べるべき」って台詞あったし、実際そういう事も描いてるんだと思う。劇中に出てきたマスコミとは少し違うが、「真実を見せる」に近いんじゃないかな。「こんな事もあるんですよぉ〜」みたいな。

けど、実際見てみてなんかガッカリ。だって、ただの普通の映画で、最初の1時間近くは延々と部族を見せるんだから。

まぁそりゃ、あの部族の「性質(と、言うと表現が悪いが・・・)」を説明して、後半(クライマックス?)の「ドキュメンタリー(偽)」で描き出す「人間の汚さ」だとかの伏線みたいな感じだったんだろうけど、なんか「はーん」って感じてみてた。(作品的に評価するけど、見ててそんなに面白いとは思わなかった)

それで後半。ドキュメンタリー見てて、やはりこの映画はきちんとメッセージを伝える、そこらのB級「食人」映画とは違うんだと実感。(以前見た『カニバル/世界最後の食人族』は、監督一緒なのにタダのクソ映画でしたが・・・)

ドキュメンタリーを作ると言いながら、ヤラセをする姿は現代のマスコミにも似ている感じもするし(実際風刺してるんじゃないかな?劇中のマスコミもそんな感じだし)、馬鹿な人奴が「自分勝手に行動し、レイプして虐殺して・・・」の姿はベトナム戦争への風刺なのか、それともすべての戦争への風刺なのか、ただ純粋に「人間」というイキモノを風刺した物なのか。

そういうきちんとした物を持って、そこにホラーとしての要素の惨酷を入れる。

そして、劇中での、人の肉を喰らい、人をぐちゃぐちゃに切り刻み(チ●コ切ってるけど『4番目の男』の方が唐突で衝撃的だったけど/笑)、そして集団で強姦し、さらに動物を虐殺する

そんな描写を評価しようとしない人も居る。そりゃ抵抗はある。それなりに壮絶な描写であるし、生理的に受け付けないだろう。しかし映画が語ろうとしていることに向き合って欲しい。

そう考えたら1点をつけることはないと思う。

けど、中身があっても面白くなけりゃ高い評価はできないってのも現実だが(笑)そういうわけで、内容は評価するし、それなりに面白かったという事で3点。

甘めにつけても4点は無理だなぁ〜、反面厳しくつけても2点にはならないな。

(評価:★3)

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