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[コメント] 人狼 JIN-ROH(1999/日)

細かく表現された昭和レトロな街並みと赤ずきんをオーバーラップさせることで、この映画は古き時代を回顧するときに付きまとう哀愁を童話的なイメージの中に再現している。それは単なる懐古趣味にとどまらず、その内において語られる男の孤独な物語は、哀愁の中でより一層印象的なものとなる。感覚的なものではあるが、この辺りは雰囲気の演出として巧い。
かねぼう

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







難点は赤ずきんがそのまま赤ずきんとして終わり、狼がそのまま狼として終わってしまったことか。誰もが知っている赤ずきんを結果として完全に踏襲してしまうのであれば(完全に踏襲といってもそれは赤ずきんの中盤までである。物語は猟師が狼の腹を裂いて娘を助けだすというような描写以前のところで終了した)、それはストーリーとして多少退屈と言わざるを得ない。見る側の予想を裏切るような展開が欲しかった。

(評価:★3)

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