シナリオがイマイチなのには目を瞑るものの、アクションまでダラダラしているのは如何なものか。『フェイス/オフ』のジョン・ウーは何処かへ消えてしまったようだ。ハッキリ言って、駄作に半分足を踏み入れかけていると言える。

実際問題、本当にジョン・ウーが監督をしているのか？と思わず疑ってしまうほど上滑りしている演出がどうにも歯痒く、素晴らしかった『フェイス/オフ』に比べ、全体的に冗長でキレの悪いこの『Ｍ：Ｉ−２』は、ジョン・ウーに影響された別の監督が撮っているのではないのか？と錯覚してしまう程だ。

だが見方を変えれば、それなりのシナリオにそこそこのアクション。“何も考えずに観られる映画”としては、そこまでは悪く無い。良く言えば、普通の作品且つ凡作。ただそこには莫大な金が掛けられているのだが。

因みにアイドル映画とも言い換えられそうなほどアップで出てくるトム・クルーズには、ファンならば嬉しいトコロだろう。『エバーアフター』では王子役を演じていたのに関わらず、今回はボコられ役というダグレイ・スコットには悪いが、本作品はトム・クルーズのＭＴＶなのだ。我慢して貰おう。