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[コメント] オートバイ少女(1994/日)

誰が見んだ? こんな映画。いや、私はリアルタイムで池袋・文芸座で 見たぞ。客、全然いなかったけど…(笑)。変なモノ好きなんて、治りようがないじゃーん! 〜開きなおりの巻〜
Linus

監督のあがた森魚という人は、その昔、『赤色エレジー』という歌をうたっていたそーで、その歌が、ロッテの小梅ちゃんの絵を描いている 林静一の『赤色エレジー』という漫画に由来することだって知っている。

でもって、主役の石堂夏央が、元エレクトリック・グラス・バルーンの 杉浦くんと結婚しちゃって、結婚指輪の代わりに、お互いタトゥーいれ ちゃったことだって知っている。

因にエレグラのドラムは、サニーデイ・サービスの丸山くんだったんだけど、サニーデイ解散後は丸山くんの消息は不明。けど田中くんは、スクービードゥのマネージャーやってるらしい。 おっと、音楽ネタにいっちまった。

なんで、この映画を見たかっていえば、『ガロ』が作ったからだ。

つげ義春、花輪和一、丸尾末広、蛭子能収、根本敬、ねこぢる・・・ 魚喃キリコだって、ここの出身だ。つげ義春は『無能の人』が映画化されたくらいだから、一般的な人だし、花輪和一だって『刑務所の中』(漫画最高に面白い!)が映画化されたし、『田園に死す』の中のサーカス小屋の 絵を描いたりしている。(つうか、そんな昔の人だったとは) 蛭子能収、根本敬は、頻繁にメディアに露出してるし、魚喃キリコの 『blue』も映画化され、2003年公開だ。(この漫画は女子だったら、 絶対気持ちわかる。高校時代、ちょっぴり女友達好きになったり、 その女友達の彼氏に焼きもちやいた経験あったりしたら)

丸尾末広にしたって、かなりカルト的に人気があるし、丸尾の絵の元ネタは 高畠華宵という挿絵画家で、田中角栄は少年の頃、華宵の「さらば故郷!」という一枚の絵を雑誌から切り抜き、壁に貼って日夜眺め、いつの 日か志を立てて郷関を出るのを夢みたそーだ。でもって、立身出世した後、東大の側の弥生美術館に行き、「さらば故郷!」の本物の絵を見て、 人前も憚らず落涙したらしい。(たぶん今もこの美術館に飾ってあると 思います。お近くの人はどうぞ)

ねこぢるは、オーケンやハイド(ビジュアル系の人。ビジュアル系は よくわからないので、バンド名思い出せず)が、大ファンというのは 有名だし、私はねこぢるの『ぢるぢる旅行記』読んで、インドまで行ったし、エイフェックス・ツインというテクノ音楽と出会った。

で、何が言いたいかと言うと、『ガロ』という世界が好きになっただけで、 〈派生〉するのである。ガロそのものは、狭い世界だけど、 一人一人の漫画家の個性が強くて、それらを好きになっていくうち、色んなこと(文学・音楽・美術など)を知ることができたように思う。あまり 同じ趣味の人と出会うことはないにしても、意外に出会ったりした後は、 繋がりが消滅することがない。それはベタベタした関係では決してない のだが、なんとなくノラリクラリと、目の届く範囲にいるといった感じ。 たぶん、同じ趣味の人というのは、そこにいてくれるだけで、 嬉しい存在なのだろう。

だから、マニアックではない友達が、「杏水(仮)って、出版社で いえば、マガジンハウスって感じだよね」と言った時(これって 誉めてんのか?)、「うーん。マガジンハウスって いうより、青林堂かな」とプライド持って答えました。 しかし、青林堂って、今はないんでしたっけ?

※ 高畠華宵と田中角栄のエピソードは、『昭和幻燈館』久世光彦著 (中央文庫)に書かれております。

(評価:★2)

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