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[コメント] ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000/英=独=米=オランダ=デンマーク)

 「泣かせ」に入っていたのが残念。
hk

 狂気? 「狂気」という言葉が頭から離れない映画だった。

 ここに描かれているのは、生暖かい母親の愛などでは決してない。なにか狂気じみた暴力的な愛である。拍子抜けしそうなほどに明るいミュージカルのシーンは彼女の幻覚症状である。断じて理想的な「想像の世界」などではなく、あくまで「幻覚の世界」である。ちょっと注意して観れば、ミュージカルのシーンには狂気が満ち溢れているのがよくわかる。理屈はこの映画に通用はしない。そんなものは彼女の前で屈折させられるのが落ちである。そして最後の場面において、彼女は幻覚の世界に逃げ込むことなく、現実を現実として受け止める。

 この映画を評価する唯一の方法は、「狂気がどれほどの洗練された形で描写されているのか」につきるのではないだろうか。狂気の強度。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ハイズ[*]

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