あまりにもやるせなさ過ぎる結末。一体，セルマはあそこまで頑なである必要があったのだろうか？　残念ながら私には，セルマの行動が理解できなかった。自分より後に残る子供に何かを残してやりたいという強い気持ちはよくわかるが，あれで，大きくなった子供に母の想いが伝わるのだろうか？　あまりにも不器用過ぎる生き方としか思えない。

場面場面で自然にミュージカル・シーンに入っていくところがなかなか良かっただけに，このストーリーは残念。このため，ミュージカル・シーンにしてもセルマの現実逃避にしか感じられなかった。というより，ミュージカル・シーンを自然に入れるには，やっぱりここまで現実離れしたストーリーが必要だったのかもしれない。