[コメント] ファンハウス 惨劇の館(1981/米)
『悪魔のいけにえ』の「反省」という意欲作だが、全体としての物足りなさはやや否めず。オーソドックスな作りのホラー。監督の個性は発揮されている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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個人的に一番シビれたのが、落とし穴に落ちた少女へ畸形の男が迫るシーン。少女の背後で巨大な換気扇が轟音を立てて回る中、狭い通気口を男が白髪をなびかせながら歩み寄ってくるあのシーン、「これぞトビー・フーパー!」という感じ(無根拠)で無茶苦茶ツボでした。死んだ友人に斧をブッ刺させちゃう所とかラストの歯車とかもかなりツボでしたが。
この頃のフーパーは自身の方向性を大分模索しているように感じられる。とんでもない作品でデビューを飾ってしまった故の苦悩なのだろうが。作品自体に特別な感動までは抱けなかったが、地下室・串刺しへの拘りなど監督の特色(肝心の「怪奇映画」をあまり知らないのでその影響に関しては分かりませんが)は良く覗える。また、随所で見られる青っぽい映像に猛風のイメージは、続く『ポルターガイスト』『スペースバンパイア』でより徹底されて行ったと言えるだろう。まぁ、そんな苦悩の道のりも世間からは「スピルバーグが実質監督」だの「エロ頼みの駄作」だのと軽くあしらわれてしまった訳ですけど。(笑
一つ大きな欠点が、『死霊伝説』でもそうだったが、拳銃を上手く作品に溶け込ませられていない。あれならば登場させない方が良かっただろうに。もう一つ、噂を前もって与えるなど意図的に唐突さを抑えているのが分かるのだが、おかげで前半が間延び気味という事。カーニバルの怪しい空気はとても巧いのだけれど、もう少しスピーディーに出来たのでは?
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