映画化に感謝します。映画化されてなければ、私はこの小説を読まなかったでしょう。けれど残念ながら私は、この映画に原作の宣伝効果以外の価値を見出せません。何より映画のストーリーが独立して存在していないように感じます。映画と小説ではストーリーが別物になっているのですが、小説を読まなければ映画のストーリーが理解できません。

※以下、原作について

　小説は極めて特殊ではありますが、恋愛・友情をテーマとした青春ストーリー。中学生の純粋さが胸を打つ話が、現代と過去を行き来しながら、次々と繰り広げられます。

　青少年のための話で名作だと思います。しかし中学生に自信を持って薦められるかと言われれば、う〜ん、やはり二の足を踏んでしまいます。言えるのは、年を重ねてしまった私には少々眩しかったということ。いわゆる｢賞味期限｣つきの小説であることは確かでしょう。