[コメント] バガー・ヴァンスの伝説(2000/米)
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実話を元にした小説の映画化作。田舎を舞台に、人生の再生を描くことにかけては第一人者のレッドフォードが豪華メンバーを配してきっちりと仕上げてくれた。
ただ、レッドフォードがきっちり仕上げたと言うことは、良い意味もあるが、悪い意味でもある。レッドフォードが作る物語はストーリー的にはすばらしく、しんみりと見せてくれるのだが、その一方起伏が乏しく、退屈なものに仕上がりがち。本作はまさしくその意味でレッドフォード的な作品と言えてしまうのがなんともかんとも。良い作品なんだが、サービス精神が欠如してるため、盛り上がるはずのところで盛り上がらない。ある意味、こう言う作品はレッドフォード自身が確立したとも言えるのだが、その作風は全然変わってないな。
謎めいたキャディの存在や、スポーツ競技を題材にして、設定的には確実に盛り上がりそうな物語なのに、出来た作品は本当に淡々とゴルフするだけになってしまった。思わず「レッドフォードはやっぱレッドフォードだよな」とかつぶやきながら観てしまった。
物語そのものが退屈なため、その分演じるキャラの魅力に重点がかかるわけだが、それに関しては充分及第点。性格描写もきっちりしているし、主要キャラは黙っていても自分の存在感を主張できる人ばかりなので、その個性をうまく引き出してる。デイモンは下手にべらべらしゃべらせるよりも黙っていた方がキャラ的には良く似合っていると思うし、どんな役でも器用にこなすセロンは言うに及ばず。意外だったのがスミスが割と無口なキャラやっても似合うと言う事実。この作品に出たことで、大きく役の幅を広げたんじゃないかな。
あらかじめ退屈だと言う事が分かっていて、役者を観ると言うことに集中するならばかなり良質な作品といえるだろう。
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