[コメント] ロスト・チルドレン(1995/仏=スペイン)
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実を言うとちょっと退屈だった。どうも、ストーリーに関する説明描写が過少すぎるのではないかと思う。何かとっつき難い感じがして、世界に入り込めず序盤は少々眠かった。
例えば一つ目教団なんて結局何の為に登場したの?あのクローン親子とハゲの首領の目的もイマイチ良く分からなかったんだけど。子供のハッピーな夢を奪う、ってんですか。で、その後は?
どこからかともなく湧き出てくる登場人物、全てが何処となく中途半端で魅力に欠ける。主人公と女の子の関係は確かに魅力的かもしれないし、あの描き方は俺も嫌いじゃないけど、どうも物語りを引っ張れるだけの魅力は特には感じなかった。
それに、アクション一つ一つに対してもどこか描写や説明が中途半端で何をやりたいのか、物語上何の為なのかが良く分からない。なぜ灯台の灯が消えた途端に船が突っ込んでくる?その前にどうしてあの船があそこに居る訳?そんな感じに、何か「何となく面白い」シーンを繋げて作った気がして、あまり好意的には受け止められない。
◇
結局何を描こうとしたの?ゴリラ男と少女のラブロマンス?それだけ?それだけじゃないだろ。でも、この映画にそれ以上のモノは特に感じなかったよ。ヴィジュアルを除いては。
街の造形や機械類は凝っていて凄いとは思うけど、正直言ってあまり好みではないかもしれない。しかし、ホルマリン漬けにされた幼児や喋る脳みそ、頭皮にノミが刺すカットや、クローンや小人のババアに双子(シャム双生児?)の孤児院の女とか、そういう趣味の良いグロテスクなセンスは凄い。
そして何と言ってもオープニングとクライマックスにある夢の描写。コレが本作で最も突出した所だと思う。
◇
作品が、自由で圧倒的なイマジネーションによって作られたモノであるのは良く分かる。それに、ジュネのセンスの良さは『エイリアン4』と『アメリ』で既に分かっているつもりだ。だけど、その二作と比べてこの作品が映画的に面白いか、つーたら俺は「詰まらなかった」と答える。正直言ってちょっと退屈だったもん。
ジュネの、その自由なセンス、特に夢の描写に★一つ追加
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