[コメント] ドラえもん のび太のドラビアンナイト(1991/日)
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劇場版「ドラえもん」はいろんな形で未開の地や異世界に行くもので、そのバリエーションも豊か。様々な形があるが、その中で最もユニークな方法があるとしたら本作になるかと思われる。なんせこの話、しずかが消えたのは舞台は物語の中なのだが、ドラえもんでも行き方が分からず、ほぼ行き当たりばったりにタイムマシン使ってその時代に行って、偶然から物語の世界に入り込んだというものだった。科学もへったくれもないという話になっていた。
そう言う事もあってか、本作はこれまで以上に話の先が見えない。意外に次ぐ意外でとても楽しめる話になっていた。砂漠で迷って野垂れ死にそうになる命の危機(前々作『のび太の日本誕生』とモロかぶり)、当時の人権問題と現代とのカルチャーギャップ、更に科学を駆使するシンドバッドとか、設定は相当カオスなものになった。
シンドバッドの使う道具はとても科学的で、実際の未来世界の道具とも関連しているので、絵本の中という設定がかなりごっちゃになってしまった。設定で言うならかなり中途半端というか、説明不足が過ぎた。
根本的なツッコミを一つ。
本作はしずかが絵本の中に入ってしまって、更にその絵本が燃やされてしまったことで行方不明になってしまうのだが、タイムマシンかタイムふろしき使えば、燃やされた本を復活させられて全て解決できてしまうという根本的問題がある。何故それが出来ないのかという説明を入れないといかん。
ところでこの作品に登場するハールーン・アッ=ラシードは実在の人物で、千一夜物語に登場する王様のことだが、少なくともアラビア圏以外の映画で彼が登場したのは本作が唯一だと思われる。
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