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[コメント] ランボー 怒りの脱出(1985/米)

ベトナム戦争の功罪などさておき,目先の悪に怒りをぶつけるランボー。でも,お気楽映画とはいえ,こんな描き方でいいものか?
ワトニイ

**ネタバレ注意**
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現地司令官の裏切りは確かに許しがたい行為だし,彼らに怒りをぶつけるランボーの心情はよくわかる。第1作では,あまり感情をあらわにしなかった彼が,この作品では一転,熱い怒りを見せているところも人間らしさを感じさせ,ある意味では魅力的である。

しかし,裏切った味方に対し正義の刃を下すために,敵のゲリラ兵やソ連軍を次々と殺すランボーはいかがなものか?

いや,生き延びるために敵を倒すのは仕方ないと思う。だが,疑問に感じるのは,その描き方である。この作品では,悪いのは,政治的都合などで捕虜を見殺しにしようとした自軍の司令官達なのであって,ゲリラ兵やソ連軍は,良いか悪いかを判断される以前に「当然の悪」として描かれていたように思う。考えてみれば,この作品でのベトナム戦争への批判も,帰還兵の扱われ方などアメリカ内部での問題に限られていたように思う。ランボーが怒りをぶつける相手はアメリカ軍内に巣くう悪なのであり,ゲリラ兵やソ連軍は,考えるまでもなく,怒りを覚えるまでもない「当然の悪」だったのではないだろうか? 一応,戦争を舞台にしている作品として,それはないんじゃないの?という気がする。

(評価:★3)

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