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[コメント] ジョン・マルコヴィッチのレディース・ルーム(1999/米)

ローレンのエピソードだけなら、短編としては良くできている。ジュリアのエピソードの印象が後のエピソードのせいで印象が弱くなってしまった。
わっこ

**ネタバレ注意**
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交通事故を起こし煉獄に迷い込んだ二人の女性が生前の自分の人生を振り返る映画。

タイトルの感じからコメディかと思ったら、最初は主演女優の夫と浮気していた若手女優が自分の過ちに気づくまでが描かれ、普通に恋愛ドラマかと思ったら、今度はもう一人の女性の浮気を描いたコメディ調の話で何とも不思議な感じの映画。

ジュリアのエピソードのレディース・ルームでの女優たちの自然な会話振りは素晴らしかった。まるで本当に楽屋トークを見ている気分にさせてくれる。ただ、普通に主人公一人のジュリアが浮気相手の脚本家とその妻の愛情関係に対し自分に罪悪感を抱いて、引き下がるという展開で特に深いドラマみたいなものがなかったのが残念。もう一人の主人公のローレンのエピソードは自分が愛していた男に妻がいて、本人も妻もそのことを知らなくて男に騙されていたという感じで、話自体は典型的だが笑える。特にローレン役ベロニカ・ファレスと愛人のロベルトの妻ルチオ役グレタ・スカッキの絡みは息がぴったりで素晴らしかった。ロベルト役のジョン・マルコヴィッチの情けない夫ぶりもいい。

ローレンのエピソードだけなら短編としては良くできていると思う。ただ、前半のジュリアのエピソードの印象が弱くなってしまった。どちらのエピソードも共通するのはお互いに浮気相手であることと、お互いに浮気相手の妻と仲良しになっている点であろうか。ラストは二人とも煉獄から抜け出し再び現実に戻るというオチで、話の展開からすると好感が持てた。

映画自体は主演のモリー・パーカーベロニカ・ファレスを始めとする役者の演技がよく、ストーリーもそつなくまとまった感じで、気軽に楽しめる。

ちなみに映画を見ればわかるがタイトルのレディース・ルームは意味は女子トイレのこと。それと出演しているジョン・マルコヴィッチはどう見ても助演なのに、邦題に「ジョン・マルコヴィッチ」とついているのはちょっと気になった。

(評価:★4)

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