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[コメント] ドラえもん のび太の大魔境(1982/日)

映画版初期の良さはキャラの隠された魅力が出る所ですね。ここではジャイアンのキャラ立ちが一番。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 本作は劇場版ドラえもん第3作で、私にとっては2本目。初めてテレビ以外で観たドラえもんとなった。実は私の町には映画館はなく、たまたま町の公民館で夏休みに放映したものだった。まあ、当初「子供が観るもんだ」と鼻を鳴らしつつ、それでも大画面で映画が観られる!という魅力には勝てずに親に金出してもらって観たのだが(当時中学1年生)…はっきり言って最後は泣けた。あまり本シリーズの映画は観ていないけど、現時点では本作が私にとってはベストの作品。

 ドラえもんの劇場版は特に初期のシリーズはストーリーの良さもあるが、TVでは描ききれない部分を細やかに描く所に特徴があり、いつものメンバーの意外な面を見せてくれるのが良い。

 特に本作の場合、ジャイアンのキャラ立ちが実に素晴らしくできている。町の中では乱暴者で、それこそメンバーの上に君臨する暴君のようなキャラなのだが、それが映画になって、町の外に出ると、咄嗟のトラブルには対処出来ない。逆に冒険に役立ってるのは他のキャラばかり。お陰でジャイアンのプライドはズタズタにされ、更に無理して良い所見せようとした挙げ句、帰り道を閉ざしてしまう。この逆境において、無口に、自分の出来ることをしようとする姿は、本当に“隠された魅力”爆発ってところ。

 本作の脚本は藤子不二雄自らが手がけていると言うだけあって、物語の力の入り方も良い。全編活劇が展開し、ドラえもんの秘密道具も惜しげなく投入され、ラストの意外さもあって最後まで飽きさせない作りに仕上がっていた。

(評価:★4)

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