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[コメント] どつかれてアンダルシア(仮)(1999/スペイン)

芸人は芸に生き、芸に死ぬ。だけど…
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 芸のために死にきれない奴もいる…

−−−−−−−−−−−−−−−−閑話休題−−−−−−−−−−−−−−−−

 スペインのどつき漫才を題材に、爆発的な人気を誇りながら憎み合うコンビの二人を描く作品。

 正直この邦題を聞いた瞬間から観る気が全然起きなかったんだが、不思議と題名が頭に残ってたのでつい観てしまった。

 確かにブラック色が極めて強く、あくも強い…

 だけど、意外に好み(笑)

 見事に息のあったコンビというのは私生活では全く合わないからこそ、互いに突き放す事が出来るからこそ冷静になれて息が合う、なんて事が言われる事がある。だけどこの作品に関してはそれ以前の問題。芸と言っても一方的にどつくだけだったし、しかもどつかれる方が人気でたとあっちゃ、互いが互いを憎み合うお膳立てが揃ってるようなもんだ。

 途中から憎み合いが「そこまでやる?」というシャレにならないレベルに発展するわけだが、それが結構ブラックな笑いを誘う…それで笑える私は性根が余程悪いんじゃないか?

 それとこの作品、意外に小技が効いてる。セグーラ演ずるニノのぶすっとした顔がはたかれて歪む様をスローで撮影したり、ニノの右手がどつき過ぎで腫れ上がってたりする描写は楽しかった。オチも秀逸。

 ただ、この作品、絶対に許されないのが一つある。

 ネコをフリーザーに入れて凍死させるなど、人間のやる事じゃない。あのシーンだけは本当に心臓に悪い。ネコ好きにとってはまさしくホラー。そんな悪鬼の如き人間は地獄の業火に焼かれて当然である!お陰で後半は完璧に私情が入って、ブルーノ役のワイオミングに憎しみさえ覚えた。あんな描写を容認するなんて、スペインとはなんと恐ろしいところだ…

 これだけのために★2減点させてもらう。

 それと、改めて言うが、この邦題、なんとかならんか?

(評価:★3)

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