[コメント] メトロポリス(2001/日)
ぼくらはやっと手塚治虫に追いついた。(でも批判も多いようだから“ぼくらは”じゃなくて“ぼくは”にしとこか。)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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手塚治虫の完成された世界観に現在の映像技術が見事に融合。逆から言えば、50年前の原作が、進歩したはずの現在に全く見劣りしていないということだ。
もちろんロボットが人間に虐げられ、反乱を起こすという構図は実はもう今となっては映像、文章、いろいろな媒体で言い尽くされてしまい、陳腐な設定の一つとなってしまってはいるが、だからといってこの作品が陳腐だというわけではない。
やはりこれは、作品のバックボーンとなる世界の構築が手塚治虫によって見事に完成されているからだ。当然、社会制度の細かいところまでは描写が行き届いていないし(それをやってしまうとウザいくらい説明調になってしまう)、実際メトロポリスがどんな人々で構成されているのかは多分に想像に頼るしかない。
あのレッド公や、大統領のような人々と、ロボットたち、そしてロボットに職を奪われた自称革命家たちだけで国家が成り立っているわけではもちろんあるまい。しかしこの物語の中で手塚治虫が本当に描きたかったのはまさにその三者のことなのだから、これでいいのだ。これで完成された世界であると言い切ってしまっていいと思う。
ひとつの世界を作り上げる。これは本当に大変な作業であると思う。そうした独自の世界をいくつも作り上げた手塚治虫は本当にすばらしい表現者だったのだとつくづく思う。
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