[コメント] ハメット(1982/米)
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コッポラの設立したゾーエトロープ(ハリウッド・ゼネラル・スタジオを買い取った)の第一回作品で、実在の小説家で『マルタの鷹』(1941)を初めとするハードボイルド小説家のダシール=ハメットを題材に、かなり好き放題に作った作品。
ゾーエトロープの第一回作品と言うことでコッポラも気合いを入れ、ヴェンダースを招いての万全の布陣で製作を開始。しかしコッポラとヴェンダースの意見が合わなかったことと、製作費の高騰のため途中で一旦製作中止となるが、第2回作『ワン・フロム・ザ・ハート』(1982)と同年に公開にこぎつけたという曰く付きの作品である。
それで出来だが…
はっきり言ってこれじゃ失敗するよ。というレベル。物語が複雑な上にキャラクタがテレポートしたかのようにあっちこっちへと移動しまくり、更に黒幕の存在がはっきりしないため、どうにも後味の悪い作品に仕上がってしまった。きっと製作のコッポラが我慢出来なくなって色々口を挟んだんだろう…確信はないけど。
確かに50年代から60年代にかけてハリウッドで何作か作られたハードボイルド作品に沿った形を取っているので、その辺の作品が好きな人ならにやっと出来る部分も多いのだが、難解さまで真似することはなかったんじゃ無かろうか?少なくとも1980年代という明快さを求める時代に敢えて巨額を投じて本作を作った意図が掴めない。
でも、褒めるべき所も多い作品でもある。特に雰囲気作りは見事で、1920年代のアメリカの暗黒的描写はしっかりしているし、ノワール調のストーリー運びも流石ヴェンダース!アクション部分がとにかくぬるいのも含めて(笑)
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