[コメント] 悪名(1961/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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このシリーズの最大の強味はやはり勝新太郎と田宮二郎という大スター二人が組んだ点にある。そもそも二枚目スターとして売り出していた田宮二郎だが、意外にもきちんと引いた演技が出来たという事実のお陰で、ミスマッチのように見えたコンビが見事にはまってる。実際、名演を見せる朝吉役の勝新太郎はともかくとして、田村二郎演じる貞の立場はとても良い。
自分の力だけを頼りにのし上がっていく生き方というのも格好良いのだが、本当に頼る人物を見出して、そのために働く生き方というのが、実は私の憧れてる生き方。それを体現してくれたのがここに描かれる貞だった。
到底自分では敵わない巨大な存在を目の当たりにした時、どういう反応を見せるか。その人物に関わりなく生きようとするのも一つの生き方だし、逆に徹底的に反発するのも一つの生き方。しかし、そこで素直にその人物に従っていくという道は、なかなか選べないものだ。そのために色々苦労はするだろうし、その人のため。と思ってやったことが裏目に出ることもある。しかしそれも含めて従っていく生き方ってのは、やっぱり格好良いよ。勿論、従うべき存在はきちんと選ぶ必要があるんだが…
ただ、一本の映画として見る限り、ストーリーとしては結構シンプル。メインは朝吉のサクセスストーリーだし、ラストも「え?これで終わり?」って終わり方だった(これは2作目の『続悪名』(1961)の引きとなっているのだが)。設定もちょっとありがち。二作目とカップリングして評価すると凄く高くなるんだがなあ…
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