コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ゴーストワールド(2000/米)

こんなラストつけないでよー。イーニドの絶望感がホントにすごく切なかった。痛くて辛くて悲しくて、観てるこっちがボロボロになりそうだった。
イヌハッカ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







自分の環境があまりにもイーニドと被っていたため、予告の時点から確実に得るもののある映画だと勝手に確信を持っていた。

いや、しかし、痛かったー。 若いってことはすなわち馬鹿ってことだ、ってひたすら断罪されてる気持ちになった。 若いのは、綺麗なことでも何でも無い。未熟で頭が悪くて、恥にまみれていて、いつか見返した時に痛いだけなんだよ、ってヒステリックなまでに主張されて、完全に圧倒されてしまった。 イーニドがシーモアに魅かれていくシーンでもうイタタ、、、と感じ、二人がベットインした瞬間からイーニドの歯が異常に黄色く見えたりするとこに涙し、病室でのシーモアのヘタレ具合とイーニドの腐りきった表情に涙し、、、とひたすら青ざめていた映画でした。

ラストはこの手のダメダメ青春映画にありがちだったので、ため息一回で終わり。 しかし青春賛歌でない映画を観るのはひさしぶりだったので、何だかんだいって得るものは大きかった。どんな馬鹿なことやってても、ダメダメでも、若いってそれだけで素晴らしいことなんだよ、っていう言葉は、そんなの言われ慣れてる現代のガキにはあたりまえのこととしか感じられない。

いい映画とは、観終わった後で、世界が輝いて見えるものだと思っていた。 しかしこの映画を観てから、観終わった後に、ものを見る目に何らかの変化が生じる映画はそれだけで観た価値あるんだよな、と思い直すようになった。

不思議と後味の悪さを感じなかったのは、イーニドを取り巻く世界に、彼女にモラトリアム期間を与えるだけの余裕が感じられたからかもしれない。そしてその余裕だけが、ホントにこの映画における唯一の救いだった。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。