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[コメント] 地球へ…(1980/日)

この放映当時、たまたま友達とこのポスターの前を通りかかり、友達が一言。「こいつ、坊主頭にしたらはまるよな」…往来のど真ん中で全員で大爆笑。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 竹宮恵子の同名漫画のアニメ化作品。

 原作は壮大な規模を展開させていた長い物語だが、それをほとんど全てぶち込んだ作品。それだけに展開が急すぎて、話を追うだけでも大変になってしまった。その割りに演出が冗長で観ていて飽きる。演出の悪さばかりが目に付く作品だった。これだったらTVシリーズにするか、せめて二部か三部に分けて、それなりに演出の上手い人間を監督にすべきだったと思うのだが、多少援護させていただくと、アニメーションの認知度が低い1980年と言う時代に作られてしまったのが一番の問題だったと思う。

 それに少女漫画の場合、アニメーションにするのは極めて難しいという問題もある。少年漫画の場合、割とビジュアル面から物語が描かれることになるが、少女漫画の場合は世界観の方が重要になるから。今で言う世界系という描写が少女漫画は先取りしていたとも言える。これが漫画の場合は上手く機能する。受け手はどれだけ時間をかけて物語を読んで良いし、繰り返し読むことも簡単。しかも行間を読み込むことで、その世界観を自分の内面世界へと取り込むことも出来る。一方映像化してしまうと、一方的に受け取るばかりで考えを挟む余地がない…この辺、現代の手法の多様化は、ようやくこのレベルに達したと言っても良い。

 オリジナル放映では観る気もなく、つい最近TVで放映した機会に観たが、今のアニメーションを知ってしまうと、演出の悪さに辟易すると共に、これはこう演出すれば…本当に惜しいなあ。と思うことしきり。むしろ今でこそ、これは作られるべき作品なのではないだろうか? 

(評価:★1)

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