[コメント] 害虫(2002/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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非常に意地悪なものの見方をすると日本では美少女ネタで作るのは昔からあったわけでそりゃあいろいろやらせてきた。かわいい+ちょっとドジな女の子ってだけじゃ成り立たない。そこで奇抜方面に行くとしたら「国会議員に美少女がなって悪徳政治家を黙らす」とか「士官候補生になってライバル美少女と世界を救う」なんて企画になる。もはや美少女が「女子中学生になって同級生と恋愛する」って方が新鮮じゃないか?
で、難しいのはまじめ系の映画だ。昔角川がやった様にまじめ系のつもりで商売商売!とゲロくやると観に行くこちらも恥ずかしい。この映画はそこら辺を色々と見てきて、ならこれでどうよ的なものを感じるのだ。美少女という理由で選ばれたのだから確率的に演技はヘタだろう。ならヘタな台詞を言わせて萎えさせるよりは何も言わせない方がいい。
話はそれるがそれを解決する方法として声をプロに頼むというのもありだとは思うんだよね。アニメ文化の最先端である日本なら楽勝でしょう。で、話は戻るが(もう戻るんか)喜怒哀楽の表情も無い方が楽。ヘタな俳優には変な演出させるより普通の顔を延々としていろ、と言う方が両者にとってずっと精神的にいいだろう。ここら辺を考えると監督が何をしたかったのか見えてくる。
簡単に言うと「美少女主役だけどアイドルものじゃない本物嗜好の映画」。恐らく監督は昔のアイドル映画を観て怒りまくっていた一人だろう。普通こういう人はアニメ監督になるんだがなぁ。どうしたもんだか。
しかし、主役の口数を減らしたことでデメリットも発生。「絵だけ」で語る事になったので複雑な話の展開は不可能。よって何故この子が孤立してしまったのかという遠因も説得力があまりない。口は災いの元と言われるように彼女が学校でしでかしたいじめの原因も包み隠さず前半で写して欲しかった。そうする事で美少女ではない「100%他人事」の観客にも自分の若い頃などの痛い部分を思い出させる事にも繋がりもうちっと見方が変わったのではないか?
それと宮崎あおいや蒼井優を観に来たライトな客の度肝を抜きたいのなら放火のシーンでは火だるまの人がヨタヨタと出てきてもいいんじゃないか?それで自分探しの旅に出ると。そういう方が害虫らしいと思うのだが何故そこを描かなかったのだろうか。
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