有名な同名ゲームの映像化作品。アクション女優ミラ＝ジョヴォヴィッチを主人公に配し、ホラー＋アクションの融合した感じの作品に仕上がっている。ゲームの方は私も1、2、ベロニカの3本をプレイしたが、特に一作目の冒頭の怖さはかなり来た。怖くてドキドキするけど止められない。間違いなく良作ゲームだった。

　本作はその前史と言う位置づけで、アリスが目覚めた屋敷がそのままゲームの1作目の舞台となり、ラストの街の惨状が２の舞台となる。その辺が分かってくると、設定も良いし、アクション部分も結構質が高い(ジョヴォヴィッチの三角蹴りも見られる)。それに前半部は結構怖い。

　こう書くと凄く良い映画に思えてしまうな(笑)。事実質は高いと思う…が、この質の高さと言うのは、この映画が他の色々な映画の良い部分を見事にパクっているから。と言うのが一番の理由だったりする。これだけ臆面もなくパクってくれると、呆れを完全に通り越して、感心さえしたくなる。

　一応私が感じた限り、モロにパクったと言う所だけでも挙げてみよう。先ずストーリーはまんま『エイリアン』、所々に『エイリアン２』。動き回る死体描写は『ドーン・オブ・ザ・デッド』(邦名『ゾンビ』。ゲーム自体がこれを元にしてたようだけど)及び『デイ・オブ・ザ・デッド』（邦名『死霊のえじき』）。他に『ハロウィン』の描写もあり。レーザーが襲ってくるのは『CUBE』、そしてオチと場面の一部ははマイナーだけど『マウス・オブ・マッドネス』。多分まだまだあるだろう。これらは私の中では全部評価が高い映画だから、その辺、監督のセンスは良いと思う。逆に変な感心の仕方をしてしまった。

　更に設定のベースはゲームなので、この作品にオリジナリティはほとんど存在しない。この作品はストーリー云々ではなく、ミラ＝ジョヴォヴィッチとレイン役のミシェル＝ロドリゲスのアクション（と、肌）を見るための映画だ。強いて言えば、女性二人がこんなに強いのに、男がみんな情けないと言うのが特徴と言えば特徴か？

　アクションとホラーが好きだっていうなら充分楽しめるだろうし、コアな人を除けばゲームのファンにも受け入れられるだろう（多分コアな人は無茶苦茶言うんだろうな…皆さんのコメントを見るのが楽しみ）。